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2024年6月2日日曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』___十字架と苹果の旅__白い十字架
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『銀河鉄道の夜』に限らず宮沢賢治の作品を読んで、「自己犠牲」をテーマに論じる読者が多い。以前私自身も「ケンタウルス、牛殺し_生の軛」というタイトルでこの作品について書いたとき、カムパネルラの死を「自己犠牲でなく犠牲」として論じた。烏瓜でつくった灯籠を川にながし、「星祭り」という...
2024年5月23日木曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』__カムパネルラという存在とその消失の意味するもの__「母」のゆるしと「ほんたうの幸い」
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『銀河鉄道の夜』について、以前「ケンタウルスー牛殺しー生の軛」というタイトルで投稿した。そこで繰り広げたテーマは核心の一部をついていた、という自負はないではないが、この複雑で重層的な作品のより重要な部分を取り残してと感じるもどかしさがあって、それが何か、言葉につむぎだせにまま...
2023年7月30日日曜日
宮澤賢治『飢餓陣営』__国家の超克とキリスト教への接近__オペレッタで語る極限状況
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宮澤賢治『飢餓陣営』について、いつまでも考えている。 「コミック オペレット」と注がついた一幕物の戯曲である。主人公の名をとって「バナナン大将」という題名のものが一九二二年六月に作られ、翌一九二三年五月、花巻農学校が県立となった開校式の日に上演された。賢治は当時この農学校の...
2022年6月23日木曜日
宮沢賢治『注文の多い料理店』______シベリア出兵のナインストーリーズ__「かしわばやしの夜」の謎
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岩手大学名誉教授の米地文夫氏に「宮沢賢治「月夜のでんしんばしら」とシベリア出兵」という論文がある。「啄木短歌・「カルメン」「戦争と平和」との関係を探る」と副題のついた精緻で素晴らしい論文である。米地氏は『注文の多い料理店』におさめられた作品中この「月夜のでんしんばしら」と「烏...
2019年8月28日水曜日
宮沢賢治『グスコーブドリの伝記』_九十年前のジオ・エンジニアリング
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地球温暖化の議論、異常気象などここ数年地球環境の異常さが人類生存の深刻な危機として問題になっている。自然の猛威の前に文明は何をなし得るか。九十年前にその課題に挑んだ人間の軌跡として『グスコーブドリの伝記』を取り上げてみたい。 前回のブログで書いたように、この作品も相次ぐ冷...
2019年8月20日火曜日
宮沢賢治『ペンネンネン・ネネムの伝記』__ばけもの社会のMMT
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『グスコーブドリの伝記』について調べていくうちに、『ペンネンネンネン・ネネムの伝記』という作品に出会った。『ペンネンネンネン・ネネムの伝記』と呼ばれる草稿に手を加えて完成したものが『グスコーブドリの伝記』であるとされている。たしかに、この二つの作品は、冷害と飢餓のため両親が自死...
2019年7月15日月曜日
宮沢賢治『どんぐりと山猫』__かねた一郎と黄金いろの草地
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『どんぐりと山猫』は、私にとって謎に満ちた作品である。いつまで経っても解決の糸口さえ見いだせなくて、ここしばらく作品の周りを行ったり来たりしている。 不思議なお話はこう始まる。 おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。 かねた一郎さま 九...
2019年6月28日金曜日
宮沢賢治『山男の四月』__「山男」とは誰か
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標題の作品は賢治が生前に出版した『注文の多い料理店』の巻頭を飾る短編である。最初『山男の四月』というタイトルで出版を考えていたともいわれる。短編だが含蓄の深い作品であり、賢治の作品の中でも重要な意味をもつと思われるのだが、論考の対象となることが少ないのが不思議である。まったくな...
2 件のコメント:
2019年5月12日日曜日
宮沢賢治『ポラーノの広場』__山猫博士とレオーノキューストの社会学的考察
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『ポラーノの広場』の中で、一番魅力的かつ重要な人物は、じつは山猫博士と呼ばれるデストゥパーゴではないだろうか。『ポラーノの広場』で連日酒宴を催し、本気とも酔狂ともつかぬ決闘騒ぎを起こした後、忽然と姿をくらましてしまう。山猫博士とキューストたちの出会いがなかったら、そして、彼...
2019年4月23日火曜日
宮沢賢治『ポラーノの広場』__つめくさの花と聖パトリックの生涯
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その青じろいあかりが「つめくさのあかし」と呼ばれるつめくさの花のモチーフは「『ポラーノの広場』という作品の中で唯一の童話的要素である。「レオーノキュースト誌/宮沢賢治訳述」と冒頭に記される『ポラーノの広場』は、レオーノキューストの自分史ともいうべき小説である。この小説の中で、...
2019年3月30日土曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』__ケンタウルス_牛殺し_生の軛
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『銀河鉄道の夜』については、多くの分析や論評がなされていて、いま私のような賢治初心者があらたにいうこともないのだが、初心者なりに気が付いたことを少しだけ書いてみたい。 この作品も生前活字になったものではないので、決定稿がないのだが、物語が始まるのは、主人公ジョバンニの町の...
2019年3月7日木曜日
宮沢賢治『ポラーノの広場』__革命の希求と涜神の怖れ
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二十世紀は革命と戦争の時代だった。「宮沢賢治と革命」という命題の立て方は唐突のように思われるかもしれないが、賢治は童話のジャンルでは寓意的に、詩の中では直接に「革命」について言及している。 サキノハカという黒い花といっしょに 革命がやがてやってくる ブルジョワジー...
2018年12月5日水曜日
宮沢賢治『フランドン農学校の豚』__父と子そして国家
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前回『フランドン農学校の豚』について、救済をもたらさない受難物語として読んでみた。概ねそれでいいと思うのだが、もう少し書いてみたい。この作品に限らないのだが、賢治の作品、とくに散文の中には、ときに周到に隠されているのだが、「父と子」のテーマが存在するのである。 フランド...
2018年11月28日水曜日
宮沢賢治『フランドン農学校の豚』__絶望の果ては何か
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異様な作品である。賢治の死後に原稿が発見されたそうで、作品の冒頭部分が欠落している。『フランドン農学校』で飼育されている豚が屠られるまでの数日間を、豚の内面に入って描いた小説である。「童話」というにはあまりにも残酷で、「寓話」と呼ぶには描写がリアル過ぎる。 この豚は人間の...
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