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2025年9月30日火曜日

大江健三郎『日常生活の冒険』_斎木犀吉からギー兄さんへ___『懐かしい年への手紙』の再読解にむけて

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 『日常生活の冒険』について、前回よりもう少しまとまったことを書こうと思って、なかなか果たせないままの日が続いている。ひとつには身辺雑事あいついで、物理的に時間がとれないこともあるが、いつまでたっても、どこから書き始めるか、定まらないのだ。なぜか、と原因を探ってみると、たぶん、こ...
2025年6月24日火曜日

大江健三郎『日常生活の冒険』___早すぎたレクレイムとゴッホとハタンキョウ

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  『晩年様式集』を読み直す過程で『日常生活の冒険』にふれなければいけないといいつつ、何をどう書くかまとまらないでいる。書くべきことはたくさんあるが、軸が定まらない。主人公のモデルがあまりにもあからさまなので、現実とフィクションの齟齬に関心がむかいがちで、作品の主題を見失いそうに...
2025年2月11日火曜日

深沢七郎『楢山節考』__おりんのりんは倫理のりん__歌がつらぬく共同体の掟

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  昔「深沢七郎の小説は構成が完璧」といったら、「「あたりまえさ。彼はギタリストだもの。」と応じた飲んだくれがいた。彼は深沢と同じ山梨県出身で、ギタリストではなく美大でゲバ棒をふるっていた。私と知り合ったときは動物愛護活動家ということをしていて、十年ほど前に死んでしまった。ギタリ...
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2024年12月25日水曜日

宮澤賢治『銀河鉄道の夜』再考___誰がカムパネルラを殺したか___最終稿に見る断念と希望                                         

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  カムパネルラを殺したのは、いうまでもなく作者賢治である。右手に時計をもって「もう駄目です。落ちてから四十五分たちましたから。」と父親に宣告させ、賢治がカムパネルラを死なせたのだ。そして、カムパネルラは賢治である。賢治はカムパネルラを殺して、自分に罰を与えたのだ。『ポラーノの広...
2024年11月28日木曜日

宮沢賢治『銀河鉄道の旅の夜』__旅の終わりに___カムパネルラの消失から死まで

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  前回の投稿を終えて、ずっとカムパネルラのことを考えている。カムパネルラとは何だったのか。  カムパネルラについては、今回『銀河鉄道の旅の夜』を読み直すにあたって、最初に「カムパネルラという存在とその消失の意味するもの」と題して書いている。興味のある方はそちらを参照していただけ...
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