naoko_note
2024年11月28日木曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の旅の夜』__旅の終わりに___カムパネルラの消失から死まで
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前回の投稿を終えて、ずっとカムパネルラのことを考えている。カムパネルラとは何だったのか。 カムパネルラについては、今回『銀河鉄道の旅の夜』を読み直すにあたって、最初に「カムパネルラという存在とその消失の意味するもの」と題して書いている。興味のある方はそちらを参照していただけ...
2024年10月4日金曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』___燃える蝎__救済か地獄の劫火か
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双子の星の話は、姉と弟のの要領を得ない会話のあと、男の子の「ぼく知ってらあ。ぼくおはなししやう。」ということばの後は空白になり、段落が切り替わる。 「川の向ふ岸が俄かに赤くなりました。楊の木や何かもまっ黒にすかし出され見えない天の川の川の波もときどきちらちら針のやうに赤く光...
2024年9月29日日曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』__星とつるはしの旄、双子の星
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銀河鉄道はコロラド渓谷を下って、ふたたび天の川の横手を走る。河原にはうすあかい河原なでしこの花が咲いている。ゆっくり走る汽車の両岸に「星のかたちとつるはしを書いた旄」が立っている。 ジョバンニもカムパネルラも「「星のかたちとつるはしを書いた旄」が何の旗かわからない。鉄の舟...
2024年9月12日木曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』___新世界交響楽とインディアン
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桔梗いろの空を鳥の大群がわたり、どこからかのろしが上がる。カムパネルラと女の子がことばを交わすかたわらで、ジョバンニはかなしくなって泪にくれている。 「そのとき汽車は川からはなれて崖の上を通るやうになりました。」と書かれて、なぜ「それから」でなく「そのとき」なのか微かな違和...
2024年8月21日水曜日
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』__桔梗いろの空にあがる狼煙と鳥の大群___ジョバンニの疎外感
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銀河鉄道は讃美歌の合唱とともに橄欖の森を通り過ぎていく。やがて青い森が「緑いろの貝ボタン」のように見えるようになり、その上で孔雀のはねが青じろく光を反射させている。橄欖の森=オリーブ山の上に立つ孔雀が何を象徴するのか、そのことについても考えなければいけないのだが、ひとまず、それ...
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