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2018年12月19日水曜日

小津安二郎『秋刀魚の味』__軍艦マーチが奏でる「日本」の挽歌

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 「日中戦争と紀子三部作の謎」について、いつまで経ってもいっこうに解きほぐせないので、つい考えるのが億劫になってしまう。それで、大した進展はないのだが、少しだけ、また独断と偏見を書いてみたい。「紀子三部作」の一作目の『晩春』(一九四九年公開)と、小津の遺作となった『秋刀魚の味』(...
2018年12月5日水曜日

宮沢賢治『フランドン農学校の豚』__父と子そして国家

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 前回『フランドン農学校の豚』について、救済をもたらさない受難物語として読んでみた。概ねそれでいいと思うのだが、もう少し書いてみたい。この作品に限らないのだが、賢治の作品、とくに散文の中には、ときに周到に隠されているのだが、「父と子」のテーマが存在するのである。   フランド...
2018年11月28日水曜日

宮沢賢治『フランドン農学校の豚』__絶望の果ては何か

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 異様な作品である。賢治の死後に原稿が発見されたそうで、作品の冒頭部分が欠落している。『フランドン農学校』で飼育されている豚が屠られるまでの数日間を、豚の内面に入って描いた小説である。「童話」というにはあまりにも残酷で、「寓話」と呼ぶには描写がリアル過ぎる。  この豚は人間の...
2018年10月26日金曜日

山口誓子 「つきぬけて天上の紺曼珠沙華」__満洲国を巡る随想の一間奏曲

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 山口誓子という人の俳句は私にとって難解である。  冷し馬潮北さすさびしさに という句もいまもってわからない。標題の句は、「つきぬけるように澄み切った青空」、「真っ赤な曼珠沙華がすっくと立った様子」など、嘱目の光景を詠んだ句であるという解釈が多いようである。そうだろうか。...
2 件のコメント:
2018年10月15日月曜日

小津安二郎と日中戦争__「紀子三部作」の謎

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 8月の終わりに腰椎の手術をして、パソコンの前に長く座っていることができません。  なので、前回はメモでしたが、今回はメモ以下です。  標題の仮説のもとに、ずっと考え続けているのだが、どうしても、読み解けない。小津の「オズ」は「オズの魔法使い」の「オズ」ではなかろうか、な...
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