naoko_note
2016年1月9日土曜日
大江健三郎『水死』___「をちかへり」考___「ウナイコという戦略」拾遺
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『水死』について、これ以上書くこともない、というか書けることもないのだが、一つだけ前回「ウナイコという戦略」で書き残したことを書いてみたい。『水死』のヒロイン、反・時代精神の女優ウナイコ「ウナイコ」が「ウナイコ」と呼ばれるようになったくだりで引用される古歌の解釈の問題である。 ...
2015年12月21日月曜日
大江健三郎『水死』__コギーという記号とあらゆる手続きの演劇化
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大江健三郎の小説を読んで分かった、と思ったことは一度もない。分かった、と思うときがきたら、そのとき私は大江の読者でなくなるだろう。『水死』も分からない小説で、いろいろな分からなさがあるが、まずは「コギー」なる名称と存在が分からない。 物語の始めに、古義人が賞をもらったとき...
2015年12月14日月曜日
大江健三郎『水死』___フィクサー・アサの役割と沈黙する古義人
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この小説ほど古義人の妹アサの活躍する作品はない。アサは、物語りの発端から終末まで事件の展開の節目節目に登場して、その主導権を握っていく。アサから古義人への手紙、というかたちで語り手としての役割も担っている。一方、古義人はなんら主体性なく沈黙がちで、結末の破局までなすすべもなかっ...
2015年12月5日土曜日
大江健三郎『水死』__「大黄さん」に関する備忘録
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『水死』はやはり不思議な小説である。この作品だけ読めば、起承転結整っていてスキがないようにみえるが、長江古義人シリーズの最新作としては、これまでの作品との破綻があちこちにあると思う。もちろん、これも作者大江の戦略なのだろうが。 前回のブログ「ウナイコという戦略_『みずから...
2015年11月9日月曜日
大江健三郎『水死』__ウナイコという戦略__『みずから我が涙ぬぐいたまう日』を読み替える
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『水死』は不思議な小説である。主人公は誰か?大江健三郎は何故この小説を書いたのか? 十七歳の少女が強姦され堕胎をさせられる。十七年後女優になった彼女は強姦した男に復讐する。物語の縦糸はこれである。縦糸に絡む横糸として、作家長江古義人の「水死小説」がある。縦糸と横糸で織り成...
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