naoko_note
2012年7月20日金曜日
「セロひきのゴーシュ」___自虐と他虐の孤独な自画像
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これも賢治の代表的な作品である。私は「セロひきのゴーシュ」に二回出会った。最初は遥かな(?)昔、まだ若い母親だったとき、自分の子供に読み聞かせるために絵本を購入した。茂田井武という賢治と同じように夭折した画家の挿絵がついていた。二回目は、それからかなりの月日が経って、子供の勉強を...
2012年6月19日火曜日
「なめとこ山の熊」____死との融和_破綻した予定調和の世界
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宮沢賢治の作品の中で、もっとも心惹かれる小説である。何故そんなに心惹かれるのだろう。熊と人間が「なりわい=生業」のために切り結ぶ生と死が鮮烈に描かれているのだが、それだけではない。むしろ、主人公小十郎と熊の交流の場面で、熊は擬人化され過ぎているし、荒物屋の主人と小十郎の関係は誇張...
2012年6月10日日曜日
「愛らしき口もと目は緑」___緊密な恋愛心理サスペンス
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比較的短編で、よくできた心理小説のように思われる。深夜、密着した男と女の間に、突然電話のベルが割り込んでくる。一瞬ためらった後、男は受話器を取る。スタンドの灯りに照らされた男の様子は「もうほとんど白髪に近い」髪を「きれいに手入れを施したばかり」で「要するに『著名人らしい』髪型...
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2012年5月30日水曜日
「エズミに捧ぐ」___いくつかの確認事項として
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「エズミに捧ぐ」について、いま新しく書き加えることはほとんどないのだが、ごく当たり前ののことをいくつか確認しておきたい。 その1 この作品を書いたのは作家サリンジャーである。 その2 書かれたのは『ナイン・ストーリーズ』が発表された1953年以前である。 その3 小説は「...
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2012年5月10日木曜日
「小舟のほとりで」____ほほえましい家庭小説
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『ナイン・ストーリーズ』の5番目、連作の真ん中に位置する短編である。九つの連作中もっとも短く、よくまとまった感動的な作品のように見える。いわれない中傷に傷ついた少年と彼を癒す若い母親の物語、として心地よい読後感をもたらす。ここに巧妙な謎が仕掛けられている、と考えることは無理ではな...
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