naoko_note
2021年3月19日金曜日
三司馬由紀夫『暁の寺』__認識、破壊、そして燔祭(2)__本多繁邦の欲望と孔雀明王
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昭和二十年六月、本多は、渋谷松濤の依頼人の邸宅に招かれる。渋谷近辺の光景は、一週間前、二日にわたり延べ五百機のB29が東京を焼いて、「その高臺の裾から驛までの間は、ところどころに焼きビルをした殘した新鮮な焼址で」と描写される。人間の生の営みが完膚なきまでに破壊され、蹂躙された...
2021年3月13日土曜日
三島由紀夫『暁の寺』__認識と破壊、そして燔祭(1)__本多繁邦の欲望
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『豊饒の海』第三巻は、日米戦争前夜一九四一年タイの首都バンコックを舞台に始まる。主人公は前二作でそれぞれの主人公松枝清顕、飯沼勲の同行者として登場した本多繁邦である。飯沼勲の弁護のために裁判官を辞して弁護士となった本多は、商社の仕事でバンコックを訪れる。その地で本多は、飯沼勲の...
2020年12月2日水曜日
映画『ミッドナイトスワン』__ライトノーヴェルから純文学へ__「映画」という奇跡
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とあるブログで取り上げられていた『ミッドナイトスワン』という映画を観に行った。いま流行りのLGBTと母性をテーマとしているようだが、全編不気味な緊張感が漂う画面の連続だった。 あなたの母になりたい__。 陽のあたらない場所で、あたたかな愛が生まれる。 という原作小説のカバ...
2020年10月28日水曜日
三島由紀夫『奔馬』__「佐和」という存在___父と子の相克
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前回の投稿から随分長い時間が経ってしまった。書けない理由はいくつもあって、いろいろ総合すると、私の能力不足という厳然たる事実に行きつく。もう三島由紀夫につきあうのはこれまでにしようか、と思ったりもするのだが、それでも、力不足ながら、『奔馬』という小説のもっとも魅力的な登場人...
2020年7月28日火曜日
三島由紀夫『奔馬』__「昭和維新」と「神風連」__英雄伝説の完成
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前回のブログで「まずは原点に帰って、『奔馬』という小説の世態風俗、人情に触れなければならない。」と書きながら、なかなか書けないでいる。 昭和七年、本多繁邦は三十八歳になった。 と書き出される時代は、内外の危機的状況のもと「昭和維新」を旗印に、とくに右翼勢力の側...
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