naoko_note

2012年8月16日木曜日

「テディ」____オレンジの皮と輪廻転生

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 「テディ」について書くのはこれが三回目である。以前書いたものを踏まえて、というより大幅に修正したものを早く出さなければいけないと思っていた。いま、完全なものが出せるわけではないのだが、とりあえずの経過報告をしたいと思う。  あらすじは今年三月七日「テディとは何か」で紹介した...
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2012年8月7日火曜日

「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」____「わたし」はどんな絵を描いたのか

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『ナイン・ストーリーズ』には三つの一人称の小説が収められている。「笑い男」「エズミに捧ぐ」そしてこの「ド・ドーミエ=スミスの青の時代」である。「笑い男」と「エズミに捧ぐ」は非常に複雑な構造で、入り組んだストーリーの展開を追っていくうちに、語り手が誰なのかが分からなくなってしまう。...
2012年7月20日金曜日

「セロひきのゴーシュ」___自虐と他虐の孤独な自画像

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これも賢治の代表的な作品である。私は「セロひきのゴーシュ」に二回出会った。最初は遥かな(?)昔、まだ若い母親だったとき、自分の子供に読み聞かせるために絵本を購入した。茂田井武という賢治と同じように夭折した画家の挿絵がついていた。二回目は、それからかなりの月日が経って、子供の勉強を...
2012年6月19日火曜日

「なめとこ山の熊」____死との融和_破綻した予定調和の世界

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宮沢賢治の作品の中で、もっとも心惹かれる小説である。何故そんなに心惹かれるのだろう。熊と人間が「なりわい=生業」のために切り結ぶ生と死が鮮烈に描かれているのだが、それだけではない。むしろ、主人公小十郎と熊の交流の場面で、熊は擬人化され過ぎているし、荒物屋の主人と小十郎の関係は誇張...
2012年6月10日日曜日

「愛らしき口もと目は緑」___緊密な恋愛心理サスペンス

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  比較的短編で、よくできた心理小説のように思われる。深夜、密着した男と女の間に、突然電話のベルが割り込んでくる。一瞬ためらった後、男は受話器を取る。スタンドの灯りに照らされた男の様子は「もうほとんど白髪に近い」髪を「きれいに手入れを施したばかり」で「要するに『著名人らしい』髪型...
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